メソポタミア文明入門 (岩波ジュニア新書)

メソポタミア文明入門 (岩波ジュニア新書)
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定価 777円
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この商品の感想

頑張ってわかりやすくしようとしていると思います
「四大文明」の一つとして必ず世界史の授業でも取り上げられるメソポタミア。
その名前は広く知られていても、その内実はあまりしられていないのではないか。同じ中東地域のエジプトと比べるとずっと地味な印象であるからか。また、中心地のイラクの遺跡や文物はエジプトのように気軽に取り上げるのが難しいためかもしれない。

本書は知られているようで実のところあまり知られていないメソポタミア文明について、どのような人々がどのように考え、どのように生きたかを当時の粘土板文書を中心に読み解こうとしたものであるといえるだろう。

シュメール文明の成立や文字や文書の起源については専門的な議論が展開され、地名や人名も聞き慣れないものが多く、取っつきやすいとは言い難い。断片的にしか残されていない粘土板文書から読み解くため、いまひとつわかりにくかったり、筋が通らない部分もあるが、必要以上に空想や想像を入れないという態度には好感が持てる。
かの有名なハンムラビ法典についてはかなりの紙幅を割いて解説している。「目には目を」についての誤解もあるとおり、内容については意外と知られていないようだ。この法典はメソポタミアの社会を知るための第一級の史料であり、メソポタミアを知ってもらうためにはこの分量を割り当てるのは当然なのかもしれない。

わりとわかりにくい内容を中高生にもわかりやすいように記した努力はなかなかのものであると思う。難しいことを簡単に、かつわかりやすく書くのは大変なことである。歴史に興味を持つ中高生に歴史学の入り口を示すという役割は十分に果たせているように思われる。

平易に説明。入門に値する。
考古学的観点からその当時の法体系及び社会背景を説明してますね。
凡そ古代とは思えぬほどかなり複雑な社会であったと書き記してます。
同害報復(復讐)の項、ハムラビ法典の所だが、よく言われるところの目には目を解説しているものの、同害に留めておきなさいという「説」がなかったのが少し心残り。
ところで学校もあったらしく、読み書きを練習するための粘土版も発見されていたという。
無形のものをこうした形で記していくことで伝統というものを継承して行くことを改めて認識させられた。

都市と人の名、国の興亡、地理が複雑です
メソポタミア文明はティグリス川、ユーフラテス川流域に生まれましたが、ティグリス流域のほうが農耕に適していたようです。降水量が年に200mm以下では天水農業ができないためBC5500頃には潅漑文化をもっていた地域もあります。シュメール人、アッカド人の時代BC2500前後ころに文明が大きく進展しました。楔形文字は表音文字で、これが、メソポタミアの国々の共通文字となりました。有名なハンムラビ法典はBC18世紀の判決集で4番目に古い法典ですが、厳罰主義で、被害者の社会階層によって報復ないし賠償のされ方がかなり異なります。また、性別で言えば男性に有利で女性に不利です。
でも、メソポタミアの文明がギリシア、ローマの文明に大きな影響を与えたのは間違いありません。
神話ではアトラハーシスの方舟の話がありますが旧約聖書のノアの方舟とよく似ています。
神話や物語は全般的に、ストーリーの原因、結果に整合性がなかったり、誰を指すのか分かりにくかったりで面白みに欠けます。
そういえばメソポタミアの風土に、ゲド戦記の「影との戦い」を思い出しました。

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