漢帝国と辺境社会―長城の風景 (中公新書 (1473))
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漢帝国と辺境社会―長城の風景 (中公新書 (1473)) 定価 798円 新品 798円から 中古 798円から |
この商品の感想
そなりの覚悟は必要
漢代中国の辺境、異民族の姿を間近に見ながら生活していただろう国境線社会の様子を発掘された書簡を中心に紐解いた書。
新書でこのタイトルとなると、そもそも門外漢はお呼びではないという本が多いのだが、これもその例に漏れない。ある程度の知識がないとそもそも何の話をしているのかよく分からないということになる。
とはいえ、古代中国辺境社会の人たち、ことに国境を守る兵士たちの生活が発掘された木簡を通して浮かび上がる様は愉快で、専門的な知識がない人間が読んでもやはり面白い。読みにくさを堪え、分からない言葉はある程度自分で調べつつ読む根気があれば、緊張感に富み、どこか寂寥の漂う辺境の人たちの暮らしに思いを馳せることはできるだろう。
辺境での兵役に従事していた人たちの衣服や、時には巡回に出ていた兵士が異民族に攫われてしまったなど、興味を惹く記事も多い。三国志などに親しんだ人であれば、その作品の舞台を更に詳しく知る助けになるのではないだろうか。
歴史書では見えない古代中国の世界がわかる
中世以前の中国史というと、もっぱら書籍中心の資料に依存し、考古学資料は少ない。政治や宗教資料はあっても、古代ローマのように、キケロやカエサルのような旺盛な著作者や、アテナイオス、ユウェナリスのような市井の著作者が非常に少なく、ポンペイのような遺跡もない為、市井の生活となると資料が非常に少ない状況である。このような中で近年北部砂漠地帯や、本土の墓地から発見される木簡に記載された文書は、当事の法律や人々の生活に関する情報を与えれくれる貴重な資料となっている。
漢代中国の辺境、異民族の姿を間近に見ながら生活していただろう国境線社会の様子を発掘された書簡を中心に紐解いた書。
新書でこのタイトルとなると、そもそも門外漢はお呼びではないという本が多いのだが、これもその例に漏れない。ある程度の知識がないとそもそも何の話をしているのかよく分からないということになる。
とはいえ、古代中国辺境社会の人たち、ことに国境を守る兵士たちの生活が発掘された木簡を通して浮かび上がる様は愉快で、専門的な知識がない人間が読んでもやはり面白い。読みにくさを堪え、分からない言葉はある程度自分で調べつつ読む根気があれば、緊張感に富み、どこか寂寥の漂う辺境の人たちの暮らしに思いを馳せることはできるだろう。
辺境での兵役に従事していた人たちの衣服や、時には巡回に出ていた兵士が異民族に攫われてしまったなど、興味を惹く記事も多い。三国志などに親しんだ人であれば、その作品の舞台を更に詳しく知る助けになるのではないだろうか。
歴史書では見えない古代中国の世界がわかる
中世以前の中国史というと、もっぱら書籍中心の資料に依存し、考古学資料は少ない。政治や宗教資料はあっても、古代ローマのように、キケロやカエサルのような旺盛な著作者や、アテナイオス、ユウェナリスのような市井の著作者が非常に少なく、ポンペイのような遺跡もない為、市井の生活となると資料が非常に少ない状況である。このような中で近年北部砂漠地帯や、本土の墓地から発見される木簡に記載された文書は、当事の法律や人々の生活に関する情報を与えれくれる貴重な資料となっている。
本書は、中国西北部、甘粛省河西回廊のエチナ河流域の長城防衛施設跡で発見された、木簡に記載された内容から、辺境の防衛や、辺境に生きる市井の人々の生活などを探求した数少ない書物である。従来木簡に関する書物は、学術出版に限られ、高額で、しかも素人が容易に手を出せないレベルのものしかなかったが、本書はここ数十年の調査成果に基づいて、ほぼ最新の研究内容から、前漢末から後漢初の辺境の兵士の生活や給料、行政や軍事の仕組み、市井の人々の生活などについて 各章テーマ毎に分類して手際よく記述している。漢書や後漢書だけでは分からなかった行政機構や給与、裁判の仕組みがわかったり、または両史書の記述を裏付ける記載が発見されるなど、木簡研究の成果が中国史に与えたインパクトは計り知れない。
冒頭では、スタインやヘディンなど、前世紀末から今世紀初頭の中央アジア探検と木簡の研究史の概略・エチナ河の自然などを俯瞰し、あとがきでは、スコットランドの古代ローマ長城遺跡、ヴィンドランタの発掘内容にも言及し、比較アプローチに言及するなど、うっかりすると木簡の内容の羅列に終わってしまい、退屈になりかねない内容を 全体としてうまくまとめている。
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