パチャカマ遺跡

ペルーと言えばマチュピチュに代表されるインカ文明を思い出しますが、それ以前にもプレインカと総称される数多くの文明が栄え、また各地による違いもあり、スペインが侵入する前に支配的地位についていたのがインカ、ということのようです。インカ以前の文明はひっくるめてプレインカと呼ばれるようですが、有名なところではナスカでしょうか。それ以外にも数多く存在しています。パチャカマ遺跡もそのひとつで、紀元600年頃に太平洋岸で栄えた文化のようです。

パチャカマ遺跡はペルーの首都、リマの南方30キロくらいのところにあります。首都から近い大規模な遺跡のわりに知名度は低いようで、当時リマに在住していた私の友人もその存在を知りませんでした。写真はパチャカマ遺跡の中心をなす「太陽の神殿」です。石組みで有名なペルーの代表的なインカ遺跡とは違って日干し煉瓦のようなもので作られているので、かなり崩れてしまっています。他に「月の神殿」「太陽の処女の館」などがありますが、こうした大規模な施設はパチャカマ文化のオリジナルではなく、かなり後にインカの支配化におかれてから作られたものだということです。

神殿の一部修復された上に立って眺めると、海岸がすぐ近くにあることがわかります。きっと海に支えられた文明だったのでしょう。何しろパチャカマ遺跡がある太平洋岸はほとんどが砂漠地帯ですから。

この写真は太陽の処女の館。復元されているのはここだけです。スペインが入り込んだ頃にはこの遺跡はまだ使われていたそうですが、後に宝を探すスペイン人たちによって破壊されたそうです。

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